四馬の譬喩(しばのひゆ)


4頭の馬がいました。

①ムチを振り上げたその影を見るだけで走り出す(駿馬:しゅんめ)
②ムチが毛に触れるか触れないかの瞬間自分が走るべき道を悟って走る
③ムチで叩かれた痛みに驚いて、ようやく走り出す
④ムチで叩かれた痛みが骨まで沁みてやっと走り出す

4頭の馬はそれぞれ、人が死に接する際の態度を示しているといわれています。

①ムチの影に驚いて走る馬は、
隣の村で「人が亡くなった」と聞くだけで
「人は必ず死ぬのだから悔いのない生き方をしよう」と悟り、
早くから「よく生きる」道を選べる人

②ムチが毛に触れて驚く馬は、同じ村で
人が亡くなって初めて、死について考える人

③ムチで体を叩かれて走り出す馬は、
自分が親しくしている人に死が訪れてから
自分の生き方を変える人

④痛みを感じてから走り出す馬は、
自分の身に死が訪れようとするときに
やっと生き方を考える人

できれば①の馬のようでありたいと思いませんか?

しかし、若く健康であるうちは
「いつか自分も死ぬ」とは思えないもの。

これはブッダによるたとえ話ですが、
同じような格言が西洋にもあります。

「メメント・モリ」ラテン語で
「自分が必ず死ぬことを忘れるな」
「死を想え」という意味。

私たちは「必ず死ぬ」ことを忘れているのです。

体の健康でたとえると……

①は「〇〇患者が増えている」と聞くだけで
早くから対策できている人
(だからといって予防接種や人間ドック
をすすめているわけではありません!)

②のムチが毛に触れて驚く馬は、
健康診断で指摘されてはじめて
健康について考える人

③ムチで体を叩かれて走り出す馬は、
医者に言われてはじめて運動したり、
食事を変えたりする人

④痛みを感じてから走り出す馬は、
通院・入院してやっと生活習慣を考える人

健康診断や人間ドックは気づきの
きっかけになるかもしれませんが、
対策にならないばかりか、
被曝のリスクもあります。

ちなみに私は親戚に病気の人が多かったため
「病気にならないためには?」
「介護状態にならないためには?」
「日本の医療費を減らすには?」

という問いかけをずっとしてきました。

そういう意味では感謝しかありません。

「うちの家系は大丈夫」と油断するのか
「遺伝だから仕方ない」と他人任せにするのか
「こういう家系だから気をつけよう」と行動するのか

「どう生きるか」が問われる時代。
私も死を忘れず、後悔しないように生きたいと思います。

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