梅雨どきにお腹の不調(下痢や便秘)を訴える方が多かったため、今回は胃腸が弱い人のための夏バテ対策をお伝えします。
夏になると食欲が低下したり、だるさや眠気に悩まされる方が少なくありません。
梅雨から夏に体調を崩す原因を知り、夏の体調をよくする食べもの・飲みもの、熟睡するためのセルフケアで夏バテを予防していきましょう!
目次
梅雨から夏の下痢や腹痛の原因
胃腸が弱い体質の特徴と、夏に起きやすい下痢や腹痛、食欲低下の原因について解説します。
胃腸が弱い人の特徴
消化器系の働きは、東洋医学で「脾」といわれます。胃腸(脾)が弱ると、胃もたれ、腹部膨満感、下痢、腹痛、吐き気や嘔吐などの症状が出て、クヨクヨ思い悩みやすくなります。
逆も然りで、考えすぎたり思い悩んだりすることで、食欲不振になった経験をおもちの方も多いでしょう。
お腹の不調以外にも手足のだるさやむくみ、月経過多や不正出血なども起きやすくなります。
実は、私も胃腸(脾)が弱いタイプで、弱ると思い悩みやすく無気力になりやすく、とくに湿度の高い時期は毎年だるさを感じます。
しかし、お伝えするセルフケアで症状を軽くしたり、予防することは可能です。胃腸が弱いと感じている方は、ぜひ読み進めてみてください。
夏の消化不良や食欲不振の原因と水分の摂り方
下痢をしたり、むくんだりすると「水の飲み過ぎかも?」と思われる方も多いでしょう。しかし、私たちの体は外気の湿気にも影響を受けています。湿度が上がると水分の巡りが悪くなり、余分な水や老廃物が滞ります。すると、胃もたれや下痢、食欲低下、だるさ、むくみなどの症状が出やすくなるのです。
胃腸に水が溜まると、内臓の働きが低下するため、水分の摂りすぎにも注意が必要です。とくに冷たいものは一気にガブ飲みせず、少しずつ飲むようにしましょう。外食のときは、氷を抜いてもらうのもおすすめです。
夏の体調を改善する食べもの・飲みもの
水分の摂りすぎや冷えで、お腹がぽちゃぽちゃしていませんか? 体内の湿気をとる食べものや飲みもの、反対に湿気を呼び込む食べものや飲みもの、さらにお腹の調子に合わせた食事のコツをお伝えします。
水分代謝を助けてくれる食べもの・飲みもの
むくみのある方は、余分な水分を外へ出すことが大切です。水分代謝を助けてくれる、おすすめの食べものは「豆類・瓜類・海藻類」です。
豆類:黒豆、小豆、大豆、えんどう、枝豆、いんげん豆、そら豆など
瓜類:きゅうり、ゴーヤ、冬瓜、はやとうり、まくわうり、メロン、スイカなど
海藻類:昆布、わかめ、あおさ、海苔など
また、はと麦は水分代謝をよくし、脾(消化器系)の働きをよくする効能もあるため、漢方薬にも使われています。お米と一緒に混ぜて炊くのもよいでしょう。
小豆もお米と一緒に炊いたり、小豆粥にするほか、お茶にして飲むのもおすすめです。ハトムギ茶、とうもろこしのひげ茶にも、利尿作用があるといわれています。とり入れやすいものから試してみてもいいかもしれません。
下痢や腹痛を予防したいときの食べもの・飲みもの
暑い日はアイスや炭酸飲料、ビールなどが恋しくなりますよね。しかし、甘い食べもの・飲みものは、体内に湿気を作り出す原因となります。
また、東京大学の研究によると、人間は砂糖を摂ると胃と十二指腸の働きが一時的にストップしてしまうことがわかっています。砂糖の量が多いほど長時間止まるそうです。
胃腸が弱い人ほど甘いものを好む傾向がありますが、砂糖類は老化、関節炎、めまい、慢性疲労、便秘、痔、血圧上昇、脂肪肝、イライラ、落ち込みなど心身にさまざまな悪影響を及ぼします。
砂糖類はほどほどに、甘味は米、かぼちゃ、じゃがいも、とうもろこし、さつまいも、人参、山芋、キャベツなどで摂りましょう。
また、冷たい水分を摂りすぎると、お腹の不調やむくみ、だるさを招きます。冷えたコップのまわりに水滴が吸いつくように、冷えは体に湿気を呼び込み、胃腸の働きを低下させます。かき氷やアイスなど冷たいものを摂ったら、温かいものを摂ってダメージをやわらげるのもおすすめです。
油の多いものや生ものも消化に負担がかかり、胃腸の働きを低下させるため、食べ過ぎないようにしましょう。
お腹の調子がよくない日・食欲がない日の食事
梅雨どきは、蒸し暑い日もあればなんとなく肌寒く感じる日もあるでしょう。また、夏でも冷房のきいた部屋に閉じこもっていると、体が冷えますよね。その日の体調によって、体が欲するものは変わってくるのではないでしょうか?
肌寒くてお腹の調子がよくない日には、体を温めてくれる食材を使うと、だるさを防げます。
食事に加熱した生姜、みょうが、ねぎ、玉ねぎ、らっきょう、にんにく、しそ、わさびなどを取り入れてみましょう。
生姜に含まれるジンゲロールは加熱・乾燥によってショウガオールに変化し、胃腸を内側から刺激して体を温めます。生理痛などの痛みや炎症を抑えることもわかっています。
蒸し暑くてだるい、食欲がないときは、トマト、セロリ、キュウリ、オクラ、豆腐、シジミ、ハマグリ、ハモなど体の熱を冷ますものがおすすめです。
生の生姜は体の熱を冷まし、吐き気や食欲不振を改善します。殺菌効果もあるため、お寿司と一緒にガリとしていただくと食中毒予防にもなります。ただし、食べ過ぎは腹痛や下痢の原因になるので、胃腸が弱い方はほどほどにしましょう。
梅干しや梅酢は、消化の働きを助けるだけでなく食中毒予防にもなります。この時期の便秘には、旬の桃もおすすめです!
水分代謝をよくしてお腹の不調を改善するセルフケア
雨の日が続くと日照時間が短くなり、うつっぽくなることもあるかもしれません。だからといってスマホを見たり、夜更かしすると逆効果となります。夏の寝苦しい夜を乗り切り、水分代謝をよくしてお腹の不調を改善するコツをお伝えします。
①室内を除湿する
1年のうちでも日の入りが遅く、日の出が早いため睡眠時間が短くなるのは普通です。ただし、暑さや湿度により、睡眠の質が低下し、熟睡感を感じられない方もいらっしゃるかもしれません。
まず、お天気がいい日に窓を全開にして風を通しましょう。室内にカビが繁殖すると、ぜん息やアレルギー症状につながる場合もあります。寝室の湿度や温度を調整したり、天然素材(シルク・ヘンプ・リネンなど)のパジャマや寝具を選ぶのもおすすめです。
エアコンの除湿機能で冷えて症状が悪化する方は、除湿器や扇風機、サーキュレーターを活用しましょう。それでも眠い場合は昼寝もおすすめです。仮眠のコツはこちら
②体を動かして適度に汗をかく
食欲を安定させ、睡眠の質を高めるためには、体を動かすことが大切です。「動かない」とお腹がすかなくなり「食べられない」「眠れない」に直結します。だるくて動きたくない気持ちもわかりますが「食べられない」「眠れない」と体力が低下し、さらに動きづらくなります。
こうした負のループにおちいらないよう、掃除をするなどして適度に体を動かしましょう。ただし、激しいスポーツやサウナなどで汗をかきすぎないことも大切です。質のよい運動をすると、疲れはとれていくものです。
梅雨どきは水分が蒸発しづらく、冷房のきいた部屋で汗をかいていないと体の熱を発散できず、熱中症になりやすくなります。運動不足はストレスをため込む要因にもなります。暑さに備えて、汗をかける体にしておきましょう。
③胃腸を整えるツボとセルフケア
夜は照明を落として落ち着ける音楽や自然音を聴いたり、読書をしたり、アロマの香りで気分転換を図るのもよいでしょう。
足三里などのツボ刺激もよいですが、運動不足の方は足首を回したり、お風呂に浸かってリラックスするのもおすすめです。
寝る前は、腹式呼吸をしてみてください。
①仰向けでひざを立て、吐く息で肛門を締める、またはおしっこを途中で止めるような感じで骨盤底筋群を引き上げます。
5~10秒間キープしてゆるめることを5回程度行います。
②両手をおへその下あたりに置き、息を吐いてお腹を凹ませます。このときに骨盤底筋群を押し下げないようにしましょう。
③息を吸ってお腹を膨らませます。吐く息を長くしながら、5~10回程度くり返すとお腹が温まるのを感じられるでしょう。
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夏バテ対策まとめ
梅雨から夏にお腹の調子を崩しがちな方向けに、食べ方、水分摂取の方法、水分代謝をよくして不調を改善するセルフケアをお伝えしました。適度に汗をかき、ストレス管理をすると食欲の安定や睡眠の質を高めることにつながり、熱中症の予防にもなります。
吐き気や嘔吐、胃もたれ、腹痛、下痢、手足のだるさ、むくみなどを改善し、夏バテを予防していきましょう。