2025年8月7日は立秋。夏の疲れが出やすい時期、心も体も疲れを感じていませんか?
「動く・食べる・寝る」はよくいわれる健康の基本ですが、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
それは「心を整える時間」をもつこと。そこで役立つのが「読書」です。
実は、読書にはストレス軽減、認知症予防、感情の安定、死亡リスクの低下など、さまざまな健康効果が科学的に示されています。
この記事では、読書の健康効果とその理由、そして今日から始められる読書習慣のコツを紹介します。
目次
読書と健康の関係|科学で証明された5つの効果

なぜ読書が健康によいのか? その具体的な効果を5つ解説します。
1.ストレスを軽減し、自律神経を整える
イギリスNHS(国民保健サービス)では、2013年から医療現場で薬の代わりに本を処方する「ビブリオセラピー:読書療法」が始まりました。
イギリス・サセックス大学の研究によると、わずか6分間の読書でストレスが約68%も軽減することがわかっています。音楽鑑賞、コーヒー、ゲーム、散歩などによるストレス軽減度を上回るそう。
呼吸が落ち着き、交感神経の興奮がおさまることで、心拍や血圧も自然に安定するため、心身に良い影響をもたらします。
2.認知症リスクを低下させる
アメリカ・ラッシュ大学の研究では、読書などの知的活動を日常的に行っていた高齢者は、そうでない人に比べて認知機能の低下が32%も抑えられたと報告されています。
本を読むことは、読書が趣味かどうかにかかわらず認知症リスクの低下につながると示唆されています。
3.記憶力や集中力を向上させる
本を読むと記憶力や集中力・語彙力・思考力などを鍛えることができます。高齢の男女を対象とした2013年の研究では、読書や作文といった精神的に困難な活動に関わった人は、そうでない人に比べて記憶力の低下が遅いことがわかりました。
4.共感力・自己理解・自己受容を高められる
本を読んで「心が落ち着いた」「涙を流して気持ちがすっきりした」そんな経験はありませんか?
カナダのガイドラインでは、パニック障害と広場恐怖症の場合、読書セラピーは「リラクゼーション療法よりも効果が高く、対面式の認知行動療法と同等の効果があり、費用対効果の高い選択肢となる可能性がある」と述べられています。
特に小説などを読むと、登場人物の感情に寄り添うことで他者への共感力や、自己理解・自己受容を高められます。
5.寿命が延びる
アメリカのイェール大学で、50歳以上の約3,600人を対象に、12年間にわたって読書習慣と生存率の関係を追跡調査したところ次のような結果が出ました。
・週に3時間半まで読書をする人は、読書をしない人よりも死亡リスクが17%低かった
・週に3時間半以上読書をする人は、読書しない人よりも死亡リスクが23%低かった
・全体として、読書をする人はしない人に比べて平均して約2年長く生きていた
「長生きしたくない」と仰る方も少なくありませんが、日本の平均寿命と健康寿命の差は男性で8.49年、女性は11.63年(令和4年)です。延ばしたいのは健康寿命ですよね?
図書館が健康寿命を延ばす?

図書館が増えるだけで要介護者が減る
読書と健康の関係は個人だけでなく、「地域全体」にも影響を与えることが明らかになっています。
慶應大学と京都大学の研究チームが、要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者7万人超を、約7年間にわたって追跡調査したところ、次のような結果が示されました。
・図書館の蔵書数が人口当たり1冊増える(千人の町なら千冊)と、その地域の高齢者の要介護リスクが4%減少
・図書館の蔵書数が人口当たり10冊増えると、要介護リスクが約34%減少
・図書館が1館増えると、要介護者が約48%少なくなる
もちろん、自治体の財政力や住民の所得も影響している可能性はありますが、それらを取り除いても相関関係(因果関係ではない)が確認されたそう。「75歳未満」「女性」「読書習慣がある人」がより有益な相関関係を示したが、読書習慣がなくても、要介護リスクの減少傾向が確認されたとのこと。「場の力が高齢者の健康を守る」となると、住環境も大切ですね。
都道府県別の図書館数と地域格差
「読書離れ」が叫ばれ、出版社や書店は減っていますが、全国の図書館数は増えているようです。
しかし、『統計でみる都道府県のすがた2025 / 社会生活統計指標』によると、「人口100万人あたりの図書館数」は以下の通り、地域によって大きな開きがありました(データは2021年度)。
1位 山梨県 65.8館
2位 島根県 61.7館
3位 長野県 59.0館
45位 宮城県 15.3館
46位 愛知県 12.9館
47位 神奈川県 9.2館
出身県の愛知がワースト2位なのは残念……。
私はこれまで10回以上引っ越しを経験してきましたが、次に引っ越す際も「近くに図書館や書店があるか」は外せない条件です。今気になっているのは、建物や空間を愉しめる図書館▼
・AIUの学生と教職員は24時間365日使える! 「国際教養大学中嶋図書館」 (秋田県秋田市)
・建物だけでも見てみたい「石川県立図書館」(石川県金沢市)
・本屋でも図書館でもなくホテルでもない「箱根本箱」(神奈川県足柄下郡箱根町)
もし、あなたのおすすめの本屋さんや図書館があれば、ぜひ教えてください(^^)
スマホでは得られない読書の魅力
デジタルデトックスと本の価値
SNSやインターネット検索、AIなどは便利ですが、情報が多すぎて疲れますよね。「疲れていると、ついスマホで時間をつぶしてしまう」そんな方こそ、デジタルデトックスとして本を手に取ってみてください。
スマホから流れてくるのは話題性や刺激の強い情報ばかりで、本当に大切なことは埋もれがちです。AIはウソをつくこともありますし、スポンサーありきのテレビや新聞、規制が厳しくなっているSNSで本当の情報を得るのは至難の業でしょう。
しかし、「本」は重みが違います。
一冊の本には、著者の人生や経験、想いが込められています。
一夜漬けの知識ではなく、時間をかけて育てられた「本質」が詰まっているのです。
自分のペースで読み進められるため、悩んでいるとき、ふと手に取った一冊が人生を変える気づきを与えてくれることもあります。
私自身もこれまで何度も本に救われ、「本がなければ今の私はいない」と断言できるほどです。だからこそ、今は書籍を届ける活動もしています。
読書は最高の健康投資

健康で充実した人生を送るために、高額なサプリメントやジムは必要ありません。もちろん体を動かすことは大切ですが「本当の健康や幸せとは何か?」より前向きに自分と向き合うためにも、読書の果たす役割は大きいと思っています。
本を読むことで視野が広がる。
視野が広がることで、自分の考えも生まれる。
新しい選択と行動によって、人生が少しずつ変わるのです。
読書は、単なる情報のインプットではありません。
あなたの心を落ち着かせ、記憶力・思考力・集中力を鍛え、人生を豊かにしてくれます。習慣的に本を読むと認知機能の低下を防ぎ、死亡率も下がる。まさに「最高の健康投資」なのです。
読書を無理なく習慣化するコツ

読書の習慣がない人にとって、本を読むことはハードルが高いと感じるかもしれません。「本当はもっと本を読みたいけど、なかなか読めない……」そんなあなたでも読書を習慣化するコツを5つお伝えします。
1.図書館に行ってみる
読書を習慣化するには、図書館を活用するのが近道です。私は本を「買うか買わないか」の選別をするためにも、利用させていただいています。座って集中できる静かな空間があり、無料で気軽に試し読みできるのもいいですね。
予約システムや蔵書検索が充実しているので、忙しい方でもオンラインでカンタンに予約できます。「本を買っても読まずにどんどん増えていく」という方でも、返却期限があるので計画的に読めますよ。
2.おもしろそうな書籍を購入する
健康本や自己啓発にこだわらず、まずは「おもしろい」と思える本を選びましょう。読書の楽しさを知ることが何よりも大切です。
1冊2000円の本を月2冊買っても年間で5万円以下と考えると、コスパ最強の投資だと思いませんか? 書店を訪れると、目的の本以外にもいろいろな棚や本に目が行き、偶然の出逢いがあるのもいいですね!
ちなみに2000年代初期に2万軒を越えていた書店数は、2025年2月には1万471軒まで半減。
売り場を持つ実店舗数に近い「坪あり店舗(売り場面積を報告している書店)」は7712軒まで落ち込んでいます。
書店がない市町村は全体の約27.7%を占め、書店がないか1軒しかない市町村は約47.4%(2024年3月時点)。
インターネットで注文するのは便利ですが、書店を守っていくためにも、できれば書店で購入しましょう。

3.スモールステップで始める
「1日1ページだけ読む」「朝起きたら3分だけ読む」など、ハードルを下げると習慣化しやすくなります。
疲れている日は無理に内容を読み込む必要はありません。「眺めるだけ」「ページをめくるだけ」でも心を癒す効果があります。イラストエッセイ、短いコラム、美しい風景の写真集やアート集など、心に負担をかけずに楽しめるものを選んでみてください。
キリのいいところまで読み切る必要はありません。「続きが気になる」状態で本を閉じると、翌日自然に手が伸びますよ。
4.読む時間と場所を決める
「寝る前5分間はベッドで本を読む」「通勤電車のなかで読む」など、「いつ」「どこで」読むかを具体的に決めましょう。カバンの中、枕元、スマホのKindleアプリなど、すぐ読める環境をつくるのもポイント。
ただし、寝る前に「早く続きが読みたい本」を読むと、睡眠を妨げてしまいます。照明は明るすぎないように調整し、できれば電子書籍ではなく紙の本で読みましょう。電子書籍が好きな方は、目が疲れにくい電子ブックリーダーをおすすめします。
5.アウトプットする
「読書メーター」のような読書記録アプリやSNS、ブログなどで、読んだ本を記録したり感想を共有したりするのもおすすめです。読書のモチベーション維持につながるだけでなく、新しい本との出会いにもつながります。
また、読書コミュニティに入ったり、読書会に参加したりすると読む動機ができるのでおすすめです。5月に初めて参加した読書会のレポはこちら
まとめ

季節の変わり目には、気候や環境の急激な変化で自律神経やホルモンバランスが崩れやすく、心の不調を感じやすくなります。特に秋は「センチメンタル」になりやすく、無意識のうちに気分が沈んだり、不安定になったり……。
そんなときこそ、読書を取り入れてみてください。
まずは「図書館や書店へ行ってみる」「1日5分、スマホを閉じてページをめくる」などできることから始めてみましょう。
おすすめ書籍はこちら
こちらは認知症予防にもつながります▼
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加藤 小百合









