春は気圧の変化や寒暖差によるストレスから「眠い」「だるい」「疲れやすい」など、自律神経の不調を引き起こしやすくなります。
「コーヒーを飲んでも眠くて仕事に集中できない」そんなあなたにおすすめの食事と仮眠術、快眠ストレッチや眠気覚ましの運動をご紹介。頭痛や肩こり、めまい、花粉症などのアレルギーが起きやすい理由を知って、根本改善していきましょう。
目次
春の不調「木の芽時(このめどき)症候群」
立春から春分あたりまでの時期は草木が芽吹き始めることから「木の芽時」と呼ばれ、昔から体調を崩す人が増える時期とされてきました。日本ではちょうど受験や卒業、進学、就職、人事異動、引っ越し、決算時期など節目の時期ですね。
そんな春に起きやすい症状は、以下のとおりです。
・頭痛
・肌荒れ
・目が疲れる
・首こり、肩こり
・腹痛や下痢、便秘
・貧血や生理痛、PMS
・下半身が冷えてむくむ
・上半身が熱っぽくなる
・寝ても疲れが取れにくい
・ふわふわするようなめまい
・胃の調子が悪くて気持ち悪い
「体が重くだるい」
「気持ちが落ち込む」
「頭がボーっとしてやる気が起こらない」
といった倦怠感や抑うつ症状、イライラ、なんとなくの不安や焦りを感じている方も。
緊張や気配りによる精神的ストレスも不調の原因の一つで、その疲労はホッとしたすきに表面化します。症状を放っておくと「五月病」につながりやすいため、早めに対策していきましょう。
春に「眠い」「だるい」「疲れがとれない」理由
「眠い」「だるい」「疲れがとれない」を改善する方法は、理由を知ればシンプルです。
春は日本人にとって節目の季節で心も体も忙しく緊張しやすいですが、自然界はのびのびしているもの。自律神経のうちリラックスさせる神経「副交感神経」が優位になりやすく「春眠暁を覚えず」になりやすい。そんな自然界に逆らって緊張しつづけていると、自律神経を乱しやすいのです。
自律神経は東洋医学における五臓のうちの「肝」の働きで、肝の働きが低下すると精神も不安定になります。「肝」とは肝臓だけを指すのではなく、血液の貯蔵や血液循環調節、自律神経の調節などの「機能」を指しているのです。
肝はエネルギーを全身に巡らせる疏泄(そせつ)作用をもっており、肝の機能が低下すると、栄養や潤いが全身に行きわたらなくなり、疲れやだるさを引き起こします。
「寝ているはずなのに日中眠い」「寝つきが悪い」「夜中に目覚める」そんな方は、夜ぐっすり眠れていないために日中眠くなっている可能性があります。肝の血を貯蔵して血液量をコントロールする蔵血(ぞうけつ)作用の低下は、不眠も引き起こすのです。
この時期は花粉症やアレルギーの薬で頭がボーっとしてしまっている方も多いですが、車の運転など本当に気をつけていただきたいです。仕事や勉強で集中力を必要としている方こそ薬を飲みたくないはずですが、鼻水や目のかゆみなどの症状が気になって「集中できないから仕方なく飲んでいる」のではないでしょうか?
実は、薬の副作用は眠気だけではなく、肝臓に負担をかける(肝機能障害)ため、たとえ鼻水や目のかゆみがおさまっても全身に影響が及びます。薬の添付文書はインターネットで簡単に検索できるため、よく読みましょう。
私もアレルギーで生きた心地がしなかった時期がありましたが、おかげさまで薬が不要になりました。
薬に頼らないアレルギー対策については別の記事で解説しているので、根本改善したい方は合わせてご一読ください。
関連記事:花粉症の症状を和らげる食べ方と花粉症対策エクササイズ
https://tai-kan.com/hayfever/
「自律神経チェック」と快眠ストレッチ
普段から睡眠不足の人が無理をすると「交感神経」が優位な状態が続き、さまざまな不調を引き起こします(下の画像左上の状態)。
あなたはどのタイプでしょうか?
忙しさによる睡眠不足や気温・気圧の変化など肉体的ストレスも、自律神経の働きを乱します。自律神経の働きを整えるには、睡眠や食事などの生活リズムをなるべく一定に保つことも大切。
就寝90分前くらいまでに湯船に浸かり、夜はお部屋の照明を暗めにしてストレッチやヨガなどでリラックスしましょう。寝つきがよくなり、睡眠の質が高まります。
春の眠気や頭痛改善のための食事術
お花見シーズンでもありますが、夜遅い食事やアルコール摂取、夕方以降のカフェイン摂取は睡眠の質を低下させ、頭痛などさまざまな症状を悪化させるので控えましょう。とくに甘いものや脂っこいものは、鼻づまりや鼻水など呼吸器の負担になります。とはいえ、我慢するとストレスになってしまいますよね……。
そういったものを摂りたくなるのは、あなたが必要以上に緊張していて「リラックスしたいから」かもしれません。新生活の準備で頑張りすぎたり、新しい人間関係で萎縮したりしていませんか? 親として、子として、パートナーとして、嫁として、上司として生き抜くために「こうあるべき」「しなければならない」とがんじがらめになっていませんか?
睡眠不足でも食生活は乱れやすくなるため、食生活に気を配りつつ睡眠から整えていきましょう。
仕事中の眠気覚まし「集中力を上げる仮眠術」
眠気を我慢していつの間にか机に突っ伏して寝てしまい「逆に疲れた」という経験はありませんか? 寝ても日中眠気を感じる場合は、積極的に仮眠をとってみてください。
仮眠の際に注意すべき点が、時間を決めて寝ること。5~10分目を閉じるだけでも、その後の集中力アップにつながります。
しかし、仮眠が長過ぎると目覚めが悪くなったり、夜眠れなくなったりするため「30分以内」でアラームをセットしましょう。仮眠の前にコーヒーやお茶を飲むと目覚めやすいです。
また、夕方遅い時間に仮眠をとると夜の寝つきに影響します。なるべく15時頃までに仮眠をとるようにしましょう。
「今すぐ眠気を覚ましたい」あなたにおすすめの運動(3分)
眠気を覚ますには、交感神経を刺激するような運動がおすすめ。運動不足で眠れない方や気分の落ち込みを感じている方、仮眠をとっても眠い方は、寝るだけでは改善しない可能性が高いからです。
気圧の変化に影響を受けやすい、頭痛もちの方にも有効です。
・目覚めのよくない朝
・午後眠くなったとき
・雨で外出できない日
などジャンプなしでご自宅でできます。運動すると睡眠の質も高まり、翌朝の目覚めがよくなりますよ。
まとめ
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスが大切で「こまめに体を動かす」「睡眠の質を高める」これだけでも不調は軽くなります。忙しいときこそ心と体をやさしく労わってあげてくださいね。
春は本来のびのびする時期です。服装や下着もなるべく締め付けないふんわりしたものを身につけ、お花見を楽しみましょう。
体質は人それぞれですが、体のしくみを知ると「セルフケア」で体調をよくすることができ、それがあなたの自信となるのです。
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